性別の話

「ラスターは男の人なの?」
「私は腕輪そのものだ。故に性別という概念自体存在しない」
 ラスターが纏っている純白のただの布からは、性別の判断は難しい。身体のラインが出ないようなゆったりした、純白のただの布なのだ。
「余計胡散臭いな」
「喋らなければ男か女かわからぬおぬしも十分に胡散臭いと思うのだが」
「もう一度言ってみろ! 二度と顕現出来ないようにしてやる!」
 言葉とは裏腹に、レイは既に剣をラスターに対して振り下ろしていた。ラスターは続く斬撃をひょいひょいと避けながら、楽しそうにしている。
「ラスターはレイと話してる時が一番楽しそうだよね」
「あぁ。全く悪趣味な天使だ」
 ロウシェルトはそんな二人の攻防戦を見ながら、楽しそうに笑うのだった。



拍手御礼/120626